2013年12月30日月曜日

MUSIC LIFE 没ネタ集


初日からラスティの寝癖っぽいヘアスタイルが気になっていたが、福岡でようやく寝癖が取れたようだ。

All My Lovingでのラスティのカッティングはネックの上(20フレット辺り)をストロークしていた。ジョンはピックアップの上で手首の回転だけで弾いていたが、見た目のコピーにこだわらなければラスティの方法が一番安定した音になるのでお試しあれ。

確信の無い話。結局記事では触れてないけど、Listen To What The Man Saidでブライアンが使っていたCorel Electoric Sitar、Beatles Gearによると初期モデルはジョンとジョージに贈られたらしい。その一方が使われてたのなら凄い事なのだが。また、同曲でギターを弾いたと記されているDave Masonはシタールも弾けるようなので、こちらの方ももしかしたら…

1985のエンディングは3連符のフレーズを3回繰り返すが、ラスティのギターは1オクターブずつ高くなるように弾くのが基本らしい。が、初日だけは2回目と3回目が同じ音程だった。

Maybe I'm Amazedの日本語での曲紹介は一部マニアの流行語になっているが、最初は英語だった。そして初日はなんと" for my wife Linda"と言っていた。帰ってから揉めてなければ良いのだが、2日目以降は"my wife"が付いてなかったのが気になる。

最終日のサイリウムは、主催者の要望ではYesterdayの演奏中の2コーラス目辺りでということだった。ところが待ち切れない観客みんながアンコール待ちの間に一斉点灯。これが逆にアンコールで出て来たポールの感動を呼んだようだった。

Carry That Weightの中間に出てくるYou Never Give Me Your Moneyの一節で、"invitation"の部分のピアノの右手はメロディーラインを弾いているが、ライブではオクターブで弾いていた。You Never Give Me Your Moneyのイントロしかコピーしたことが無かったのでてっきり単音だと思っていたのだが、後日CDを聴いてみたらオクターブ上の音がちゃんと鳴っていた。

福岡での相撲が余程気に入ったらしく、しばしば四股を踏むポーズをしていた。福岡ではlady Madonnaの後とThe Endの後。東京初日はThe Endの後のみ。東京2日目はI Saw Her Standing Thereの後とThe Endの後。最終日はテンションが違ったのかやってなかったようだ。

2013年11月1日金曜日

20歳になったら読んで欲しい怖い話

【自己責任を利用したビジネスモデル】
本テーマの要点は「20歳になった人でも、署名・捺印をする前に親に連絡してOKをもらってからにしてください。」ということです。
***
(12/20追記)本件はNTT西日本様が窓口となって代理店との交渉をしていただき、契約取り消しということで対応して頂きました。非常に稀なケースだと思います。成人になった皆さんはくれぐれも契約にはご注意ください。
***
舞台は、インターネット完備の学生向けマンション。
学生の必需品であるパソコンにはNTT docomo wifiアダプタ(データカード)を付けている。

これ以上、ネット環境は不要であるにも関わらず、
業者は学生の無知を利用してフレッツ光の機器を導入させる。
20歳を越えた学生は保護者の監視がない状態で契約が進められる。
(契約という認識が無い半人前の成人は単なるマンション工事と思っていて勧誘されているという認識が無い。現時点で残っている記憶は、「業者がやってきて勝手に機械を設置していった」という程度で、「サインはしてない」とも言っている。業者は想像以上に巧妙なのです。)
クーリングオフが出来なくなった半年後、料金滞納という理由で
自己責任の名の下に多額の請求書を受け取ることになる。
ポイントは、本人は全く契約した認識がないのでNTTファイナンスからの料金請求を(詐欺か何かと思って)無視することである。わけの分からない電話や郵便には応答するなと伝えてあるからだ。そして最初の料金請求は未払いとされ滞納の通知が来るときには半年以上経過しているのである。

詐欺ならお金を払う必要はないが
これは巧妙なビジネスモデルであるため、
発覚後に正式にお金を払わなければいけない。

問題の発見が遅れるのは、作業ごとに担当の会社を変わることである。
勧誘する会社、契約先、機器を設置する会社、費用を回収する会社、延滞の請求をする代理人弁護士。
当然、これだけの担当者が交互に関わってきて、自分と関係ない作業は責任が無いと主張する。客が混乱して判断力を失わせる効果があり、契約作業はどんどん進んでいくことになる。

案の定、勧誘する会社は「本人に説明をして署名・捺印をもらっているので自己責任、契約したのはNTT」としてそれ以降の責任は回避する。NTTは正式契約による作業なので何の問題もない。

NTT docomo wifiのユーザでさえ標的にされることは驚きでしかない。
この点について勧誘業者のMさんに問いただすと、知らなかったとの回答。つまり、顧客のネット環境を調べてより良い提案をする、といった姿勢は無く、ただただフレッツ光を契約させたいという状況だったことが推測できる。契約を完了するために保護者の承認が不要な年代を狙っていたものと思われる(実際、署名・捺印があり自己責任であると主張している)。今時、顧客視点を無視し、顧客満足度を重視しない会社が大企業系列に存在していることが信じられず、当初はルーター設置詐欺と思って最初に警察に連絡してしまった。

更に弱者の相談に乗りますと謳っている法律家が企業側の代理人弁護士として登場するに至っては(相当に皮肉である)、諦めさせる効果は絶大である。

念のために言っておくがNTTは全く悪くない。
この法律を理解していない方が悪い、つまり自己責任である。
親が生活費の面倒を見ている学生でも20歳になれば契約の自己責任を取らされるのが現在の法律である。今回も、マンション契約と支払いは親が管理しているにも関わらず、大学生の間に訪れるこの瞬間を狙われたのである。製品に自信があるのであれば、学生への販売は、法律を盾にした販売方法ではなく正々堂々と保護者の同意を得て欲しいと思う。NTTが誰と契約しようと、料金を支払うのは保護者の場合がほとんどのはずである。継続的な契約を望むなら、誰が料金を支払うか確認して、支払う人と契約すべきである。これを利用したビジネスモデルが増えないことを祈るばかりだ。

***
経過は以下の通りです。
・2/27、マンションにて勧誘および契約
・3/7〜7/1の期間、月毎にNTTファイナンスから料金請求
・1度も支払いをしていないので7/1に自動解約
・10月末に代理人弁護士からの請求通知(フレッツ光の契約〜解約に伴う費用請求47066円)により問題発覚
・警察は犯罪を証明できないと動けない。契約時の状況が問題ですが、本人の記憶が無い以上、これを証明することはできません。
・消費者センターも同様。無料の法律相談はありますが、法には触れない契約手順なので問題解決を期待することはできません。
・NTT西日本様の尽力により契約取り消し(12/20)。

契約取り消しは稀なケースです。皆さんもお気を付けください。

2013年9月15日日曜日

iOS7対応で気付いた点

iOS7での変更作業(忘備録)

  1. MediaPickerをNavigationControllerに入れるのがNGになった(普通にViewControllerの差し替えをするしかなさそう)
  2. スレッドがちゃんと並行処理をするようになった(シーケンシャルな処理が必要な箇所は要チェック)
  3. 最上部の時刻表示とアプリ領域が重なる(諦めて情報を隠さない様にレイアウトを変更する)
  4. UIToolBarが半透明のグレイになった(配置するコントロールの配色を変更)
  5. UIToolBarにUIBarButtonItemをテキスト表示用に使うのは不適(FlexibleSpaceに関係ありそうだが、幅が変更できない場合があるのでUITextEditをdisable状態で使った方が良い)
  6. UISegmentControlにカラー画像を使えなくなった
  7. UIActionSheetが上にはみ出す(4Sだけかも知れないが諦めるしかなさそう)
  8. UINavigationControllerで使うUIViewのレイアウト指定が変わった。上部にUITextField、それ以外をUITableViewとしていた例だと、UITextFieldのY座標を0から64に変更して、新たに設けられたΔYに-64を設定すれば、iOS6とiOS7で共用できる。⇒これでも iPad mini on iOS7 がNGだったので、更にY座標を0に設定するコードを追加した。今後は、最少でもiPhone/iPadとiOS6/iOS7の組み合わせの環境を用意する必要がある。
  9. キーボードが表示される場合(エディットコントロールにフォーカスを移動させた場合)、自動レイアウトで底面を固定としているものはキーボードより上にスクロールしてしまう。Viewの下側にエディットコントロールを配置させる場合は便利だが、既作成のアプリはキーボードが表示されることを前提として上側に配置していると思うので要確認。
  10. 多国語対応の仕様が変わったらしい。レガシーな方式だと警告がでるが取り敢えずValidateはPassしてくれる。

2013年9月14日土曜日

ipswファイルをiTunesで更新

開発者向けに提供されるiOSのベータ版をインストールする方法


  1. ipswファイルをダウンロードする。
  2. インストール対象デバイスを接続する。
  3. iTunesでインストール対象のデバイスを表示する。
  4. Altとアップルキーを押しながら、「アップデートを確認」ボタンを押下する。
  5. ダウンロードしたipswファイルを選択する。
  6. 以降は省略

2013年8月23日金曜日

Blackbirdのフィンガリング

耳コピをどんなに頑張っても映像には敵わない領域がある。フィンガリングや演奏ポジションが正にそれだ。
Blackbirdでは、かつて「1弦を弾いてない」という意見が主流だった。ギターを弾き始めた頃は簡単にそれを信じていたものだが、ある程度弾けるようになると以前は聴こえなかった音が聴こえるようになる。演奏中に意図せずに出てしまう音のニュアンスが感じられるようになるからだ。「1弦を弾いてない」というタイミングで2弦の開放弦が鳴っているのに気付いた時から、この説は間違いだと考えるようになった。
一方、映像が無いと絶対に分からないものとしてフィンガリングがある。6弦の3フレットをどの指で弾いているかは音だけでは判断できない。Gコードの押さえ方が2種類あるので一方に断定できないのだ。幸い、再発売されたROCK SHOWには今まで未収録だったビートルズナンバーも全て収録されており、この曲の演奏も一部確認出来る。その結論は…どっちもあり。イントロは薬指で弾いているが、直後のボーカル部分では中指で弾いている。つまり、どの指で弾くと決めている訳ではなく、その場の雰囲気で弾いているだけだった。この感覚はギターを弾く人なら理解出来ると思う。弾き方は意外と適当なのだ。

しかし、Ovationの音が懐かしい。最近、すっかり見かけなくなったなあ。

2013年8月9日金曜日

Flowers In The Dirt (Ou Est Le Soleil)

Flowers In the Dirt
deluxe盤(special package)にいくつかミックス違い候補が収録されている。しかしながら、収録されているRough Rideと同ビデオバージョンは全くの別テイクらしく同期できるポイントが見つからない。同じくP.S.Love Me Doも、シングルカットされたBirthdayのカップリング曲としてリリースされたバージョンとは別テイクらしい。
唯一、Ou Est Le Soleilと同7インチミックスは、拙作Synchronized Listeningでも検証可能な正統派のミックス違いである。比較結果は次の通り。

0'00"〜
全く違うイントロであるが、シンセベースはエコーの深さが違うだけで同じ音である。続いて7インチミックス(以降、7mixと略す)ではピアノ風の音が右チャンネルで鳴るが、これは通常版の中央に定位した音と同じである。ただ、7mixでは所々カットされ、通常版には入っていないハイハットがメインになっている。
ポールのボーカルも全く同じテイクであるが、7mixではフランジャーが掛かっている。

0'24"〜
共通するのは、キック、シンセベースとシンセによるリフ。通常版では強めのスネア、7mixでは各種パーカッションで違いを出している。

0'40"〜
ポールのボーカルにはディレイが掛かっているが通常版の方が大きめである。7mixではステレオコーラスのような左右に広がる感じを重視している。

1'01"〜1'07"
7mixにはギロのようなカエルの鳴き声のようなパーカッションが入っている。

1'14"〜1'27"
通常版にはミュートしたギターリフが入っている。7mixでは1'26"にクリーンなギターコードが入るだけ。

1'44"〜1'48"
両者に共通したスネアが入ってくるが、通常版には元々スネアが入っているため音が厚くなっている。続くギターは7mixの方が大きめ。

1'49"〜
コーラスは7mixの方が大きめ。

2'17"〜2'20"
通常版の方がボーカルトラックがひとつ多い(メインのボーカルトラックっぽい、つまり7mixの方ではカットされている)ため音が厚くなっている。

2'21"〜2'51"
7mixには追加のボーカルトラックがSE風に入っている。

2'36"〜2'49"
通常版の方がシンセのコードが大きめ。

2'50"〜3'10"
7mixの左チャンネルに通常版には入ってないギター。逆にディストーションギターやシンセのリフはカット。

3'10"〜
通常版では2種類入っているシンセのリフの内、高音側は7mixではカットされている。

3'35"
通常版では低音のボーカルの最後の歌詞にディレイが掛かっている。

2013年6月30日日曜日

McCartney II (full length version)


こちらはスーパーデラックスエディションに収録されているロングバージョンとの比較。



【Coming Up】

長短6箇所を削除してショートバージョンを作成。
ほとんどは小節の区切りで切り貼りしているが、最後だけは"coming up"のタイミングで編集している。

【Front Parlour】
編集箇所は2箇所だけ。
イントロが始まって直ぐに前半をカット。あとは中間にあるメロディーをカット。

【Frozen Jap】
編集箇所は4箇所。
両者は別バージョンで、リリース版(ショートバージョン)には主旋律のシンセにディレイが掛かっている。

【Darkroom】
リリース版(ショートバージョン)は後半を1箇所だけ1'20"程短くしたバージョンであるが、その後、0'45"付近だけリミックスし直して差し替えている。

【Check My Machine】
両者は別バージョンで、リリース版(ショートバージョン)はベースを控え目にエンディングのSEも別のものになっている。
編集箇所は8箇所あり、単に短くしただけでなく、前後を入れ替えた箇所もある。

【Wonderful Christmastime】
7箇所を編集して、"simply having wonderful christmas time"の繰り返しを1回少なくしている。


【Summer’s Day Song】
タイトル通りボーカル抜きのオリジナルバージョンなので特に調べる必要もないのだが、一応挑戦してみた。
ザックリと調べた感じでは編集箇所はなさそう。
このような全くの別ミックスで、丸い音色の楽器ばかりだと同期ポイントを探すのが非常に難しい。永年の経験と勘を頼りにしてももう暫く掛かりそう。ということで後回し。


【Waterfalls [DJ Edit]】
こちらはリリースバージョンの中ほど1分とエンディングを少し削除したバージョン。


2013年6月27日木曜日

RAM mono version

Too Many Peopleのコーラスがいきなり違っていたりして、リマスターよりは面白そう!
もちろん拙作 i同期再生 を使ったデモンストレーションが目的です。
まだザックリと流している段階ですが、以下のような内容は誰でも確認できます。

【Ram On】
モノはウクレレがシングルトラック、ステレオはダブルトラックになっている。

 Uncle Albert / Admiral Halsey】
一連の曲としてレコーディングしたのではなく、クロスフェードの編集ポイントがある。

【Heart Of The Country】
音の過不足は無く、ビートルズ時代からお馴染みのモノミキシングの特徴のみ。

【Monkberry Moon Delight】
モノミキシングではアコースティックギターが効かせてあるが、ステレオバージョンではほとんどカットされている。代わりにステレオバージョンではタンバリンが効かせてある。
エンディングには編集箇所があり、確実に一方は差し替えられているが、2バージョンしかないのでどちらが編集されているかは不明。主にアドリブボーカルとギターリフのミキシングを試行したものと思われる。



【Eat At Home】

複数あるボーカルトラックの使い方が違っている。ステレオバージョンでは鼻をすする音が聞こえたり、モノバージョンでは話し声が入っていたり、MichelleやNorwegian Woodを彷彿させる。


【Long Haired Lady】
ステレオバージョンに入っているリピートエコーを掛けたハイハット(まるでLet It Beでフィル・スペクターがシンバルに掛けたような感じ)がモノには入っていない。ステレオバージョンには"my long haired lady"のコーラスがポール1人分だけ多い。

【Ram On】
意外とどこにも記されてないが3曲目のフェードアウト後。モノはウクレレがシングルトラック、ステレオはダブルトラックなので、同じミックスからの分離と思われる。モノでは"ram om"の直前でウクレレがブレイクする。

【The Back Seat Of My Car】
エンディング前に編集箇所がある。
全体的にギターの使い方が異なり、モノバージョンは控えめ。

2013年6月24日月曜日

iPhone5のスピーカー問題

iPhone5にはスピーカーとイヤフォンの認識に失敗する不具合があるようだ。
OpenALを使用すると、以下の処理でスピーカーを認識せずイヤフォンへの出力となってしまう。

 // OpneALデバイスを開く
    ALCdevice*  device;
    device = alcOpenDevice(NULL);

これに対する正式な方法は不明であるが、
alcOpenDevice()を実行する前に
IPodライブラリの曲を再生したり、
AudioToolBoxで任意のサウンド再生をすれば回避できる。

2013年6月12日水曜日

Wings Over America (Disc 2)

拙作のiPhone/iPad用 同期再生アプリにマニュアルモードを追加して試してみた。以下の内容は同アプリの次バージョン(V1.4申請中)で確認できます。

【You Gave Me The Answer】
イントロ前に付けられている歓声が異なっている。以前は女性の声が目立っていたが、今回は男性の奇声が目立つので違いは容易に確認できるはず。
【Magneto And Titanium Man】
1'41"の"forces"や2'15"の"town"等のボーカル修正(軽微なもの多数)。

【Go Now】
3'29"の"thank you"直後のマイクを吹く音を修正。
【My Love】
カウントの"two"と"four"でマイクを吹く音を修正。
0'49"の"something"、2'48"の"ask"、3'46"の"to"等のボーカル修正(軽微なもの多数)。
2'52"(2拍目裏)のセンターにあるキックと思われる音を消去。
【Listen To What The  Man Said】
0'20"の"say"、0'38"の"soldier"、1'13"の"that's"、1'20"の"said"等のボーカル修正(軽微なもの多数)。
演奏終了後の3'23"、ポールのMC部分に重なるキック音を消している。
【Let 'Em In】
本来の歓声はイントロの最中にフェードインしているが、それとは別に歓声を追加して前曲と繋がった印象にしている。
0'30"の"someone"、1'36"の"sister"等のボーカル修正(軽微なもの多数)。
【Time To Hide】
ほぼ同じ。
【Silly Love Songs】
ほぼ同じ。
【Beware My Love】
演奏終了後の歓声が全く別のものになっている。以前はドラムスやギターの残響音が鳴っていたが、リマスターではマイクを吹くようなノイズになっている。
【Letting Go】
曲間の歓声はフェードアウトせず、イントロに被さっている。
0'37"の"she tastes"等のボーカル修正(軽微なもの多数)。
【Band On The Run】
ほぼ同じだが、歓声がフェードアウトする直前、左チャンネルから聞こえるアンコールを催促する手拍子が新たに追加されている。
【Hi Hi Hi】
フェードインが若干早め(スネアの音量差で確認可能)。
演奏終了直後の3'12"に編集跡があり、リマスター版の方が僅かに短くなっているが、特にミックス違いは生じていない。従って、この編集跡は以前のCD版の方が編集されているものと考えられる。つまり、以前はアナログテープからデジタル化した後に何らかの編集作業をしていたが、今回はそのような切り貼りを必要としなかったのでオリジナルの長さになっているものと考えられる。
【Soily】
ほぼ同じ。

2013年6月10日月曜日

iPad miniでの注意点

スレッド内で直接アラート表示をしてはいけない。
といってもiPhoneやiPadでは実害は無い。何故かiPad miniにおいてのみクラッシュしてしまう。
以下のようなアラート表示用の関数を用意し、

-(void)showAlertFromThread: (id)param
{
    NSString *msg = (NSString*)param;
    UIAlertView *alert = [
             [UIAlertView alloc]
             initWithTitle:@"Alert from thread"
             message: [NSString stringWithFormat: @"message : %@",msg]
             delegate:self
             cancelButtonTitle:@"Cancel"
             otherButtonTitles:@"OK", nil
             ];
    [alert show];
}

スレッド内では以下のように呼び出せば解決できる。

 [self performSelectorOnMainThread:@selector(showAlertFromThread:)
                               withObject:@"Hello" waitUntilDone:TRUE];

2013年6月1日土曜日

Wings Over America(disc 1)



リマスター版の発売ということで早速調べてみた。と言っても量が多いので、まずは1日1曲を目標に分析。


最初に気になったのは、以前のCDとは極性(数値化された値のプラス・マイナス値)が逆になっていること。スピーカーのコーン紙が逆方向に動くから、かつてのオーディオマニアなら音が全く違う、って騒ぐ大問題だけど、実際には実害は無いと思う。
出だしの歓声が若干早めなことからも、以前のCD化の際のデジタルデータではなく、その前のアナログテープから作業を始めたのだろう。

【Venus and Mars / Rock Show / Jet】
ミキシング後のテープが元らしく、歓声も含めて音の過不足は無い。全体的に音量と音圧を上げたようで、エンディングのロングトーンの音量が持ち上がっている。
顕著な違いは破擦音の修正箇所くらいである。6'25"辺りのポールが歌う「Jets」の音はかなり修正されていて誰でも違いが分かると思う。以降も数カ所でわずかに修正されている。
【Let Me Roll It】
2'47"の2拍目裏の音量が小さいハイハットが消されている。同様に3拍目裏のハイハットもノイズ部分が消されているが、こちらはハイハットの音自体が残っているので分かりにくいかもしれない。その他は歓声も含めてほぼ同じ。
【Spirits Of Ancient Egypt】
0'50"の4拍目(I'm yourの直前)のノイズが消されている。このような音がいくつかあり、それらが消去されている。また、演奏直後4'03"にある機材ノイズが消されている。変わったところでは、前曲との切り替わり部分で極端に歓声が変化し如何にも「テープ編集しました」という感じだったのが、繋ぎ目部分に歓声を追加して、繋がったライブ演奏という雰囲気にしてある。
【Medicine Jar】
旧CDバージョンはエンディングが修正されていたが(レコードは調べてないので不明)、今回、その編集ポイントが無くなった。最後のロングトーンに歓声を重ねる作業によるものだが、旧バージョンの方が歓声のタイミングが若干早い。旧CDでは、歓声をミックスしたマスターが出来上がった後で、リリース直前に歓声のミックスをやり直したのだろう(ただ、理由がわからない)。つまり、本CDの元となった音源は旧CDと同一では無いということになる。
【Maybe I'm Amazed】
本編はほぼ同じ。他の曲にみられるようなベースを強調した感じも無く全くフラット。ただ、曲間の歓声が所々別編集になっているらしい。イントロのピアノの1拍目裏で聞こえていた歓声だけが無くなっている。それとも演奏の邪魔で消したのかも。
【Call Me Back Again】
ほぼ同じ。
【Lady Madonna】
イントロのピアノの1拍目に重なるキックの音が消されている。
【The Long And Winding Road】
ほぼ同じ。
【Live And Let Die】
ほぼ同じ。
【Picasso's Last Words】
ここでも前曲との間に歓声を追加している。元々、ポールがピアノを弾く編成から、アコースティックセットへの転換をするため、フェードアウト〜フェードインという編集になっていたが、ここでは歓声を途切れさせないで引き続き演奏をする編集になっている。更に細かい点では、その間の左チャンネルのギターはやや小さめになっており、中央のギターはフェードインしない分だけ大きめになっている。
その他、0'20"の"bad"でマイクを吹く音を修正している。
【Richard Cory】
0'52"の"everyplace"でマイクを吹く音を修正。
2'31"と2'34"の"wish"で摩擦音を修正。
【Bluebird】
0'34"の"is for"で摩擦音を修正。
【I've Just Seen A Face】
本題ではないが、ビートルズのオリジナルとはキーが1音下がっている。この事からビートルズでの演奏はカポタストを2フレットにつけていたことが分かる。
ここでは、本編の相違はないが、フェードアウトさせないで歓声を追加して次の曲に繋いでいる。この編集作業の結果、次曲が若干早く始まる。
【Blackbird】
ここではYesterday用に1音下げチューニングされたギターで演奏しているため、キーがFになっている。
0'13"の"broken"でマイクを吹く音を修正すると共に、足でカウントをとる音を強調(または追加)している。
1'27"の"waiting"でマイクを吹く音を修正している。
【Yesterday】
0'21"の"they're"のタイミングでノイズの修正をしている(ボーカルなのかギターなのか判別がつかない)。
1'21"の"play"でマイクを吹く音を修正している。
エンディング後の歓声のフェードアウトが5秒くらい遅い。

2013年5月31日金曜日

AppStore登録時のバージョン番号の注意点

iMID2PRN V3.6でiPhone5のバグが生じたので、マイナーチェンジのつもりでV3.61をリリースしたら、次のV3.7の申請がValidate段階でエラーとなった。
つまり、小数のつもりで0.01を足したのだが、小数点以下は独立した数値だったらしく、61より大きな数値を要求されたらしい。V3.7ではなくV3.70とすることで解決した。
※枝番設定時には要注意

2013年5月15日水曜日

iOSアプリのValidate失敗

iOSアプリ申請時のValidateが失敗し、以下のエラーが表示される場合がある。

iPhone/iPod Touch:application executable is missing a required architecture. 
At least one of the following architecture(s) must be present: armv7

原因は不明であるが、iPhone5を接続してArchiveを作成した場合に発生する。
対策としては、iPhone5以外のデバイスを接続してArchiveを作成するだけでValidateは成功する(もちろん、他には問題の無い場合だが)。

2013年5月13日月曜日

全曲バイブル番外編(演奏法) For No One

当たり前の事ではあるが、どのキーで演奏したかは演奏方法を探る上では特に重要になる。ギターの場合、カポタストで簡単にキーを変えられるため、先ずはこの確認をする必要がある。例えば、And Your Bird Can Singの没テイクで演奏されていた12弦ギターはカポ4でキーC、While My Guitar Gently Weepsのデモはカポ5でDm、といった具合だ。

ところがRUBBER SOUL以降はテープスピードを変えたことでキーが変わってしまう曲が出てきた。Strawberry Fields ForeverのギターアルペジオはキーCでないとあの雰囲気を出せないが、そのためにはYesterdayのようにチューニングを下げるしかない。

当然、キーを簡単には変えれないはずのピアノでも同じことが起こる。キーBだととんでもなく難しいFor No Oneのピアノも、実際に演奏したキーCだと驚くほど簡単になる。動きの激しいサビ部分も白鍵を左右に移動しているだけになる。
このサビには裏でリズムを取るようなラの音(リリース版ではG#)があるが、ルートのオクターブにはなっておらず、今ではお馴染みのポールのピアノ奏法とは違う過渡期の演奏と思われる。更に、このように裏でリズムを取るような弾き方はジョンが右手だけで行っており(We Can Work It Out、Imagin等)、それに触発されたポールが右手で弾いているかもしれない(実際、この音は右手でも左手でも演奏可能である)。そこから発展させて独自の演奏法に辿り着いたのではないだろうか。

2013年5月10日金曜日

全曲バイブル番外編(演奏法) Back In the USSR

ジョン、ポール、ジョージによるロケストラ状態になっているが、幸いにもシルク・ド・ソレイユの『ラヴ』で各演奏が分離された状態で聴ける。

まず、ポールのリードギター。演奏開始となるフレーズは間奏最後と同じもので、14/3(3弦14フレット)から10フレット付近までスライドダウン、直ぐに11/4から12/4へスライドアップ&9/4へスライドダウン。早弾きをしているようにも聴こえてしまうがピッキングは2回だけというアイデアものの演奏である。その後、10/4を半音チョーキングしている。間奏自体は得意の人差し指でのチョーキングをメインに歌メロをなぞったもの。

次いでギターリフ。単音のリフではなく、最初の5/1の音には5/2の音が重なり、次の8/2の音には6/3の音が重なっている。つまり5フレット上でA7コードを押さえたまま弾いてる演奏だと判断できる。
となると、低音弦でのリフも同様の音が聴こえるので、ギターと同じことを6弦ベースで行っていると容易に想像が付く。

『ラヴ』での音の分離から、以上の3本のギターは同じトラックに録音されたもの、つまりギターリフはジョージ、6弦ベースのリフはジョンと判断できる。
まとめると、
左チャンネルは、ジョンのスネア、ジョージのギター、ポールのベース
中央がベーシックトラックで、ポールのドラムス、ジョージのベース(レコーディングセッション本と異なるが)、ジョンのギター
右がポールのリードギター、ジョンの6弦ベース、ジョージのギター(レコーディングセッション本の通りドラムスが含まれているならジョージとなるが)
ピアノは単独トラック
となるかと思う。。。マスターテープで確かめてみたい!

2013年5月9日木曜日

全曲バイブル番外編(演奏法) Taxman

ピアノとは違い、ギターは同じ音程を数カ所で出せるため、演奏法のコピーは一筋縄では行かない。逆に答えを見つけた時のアハ体験は格別である。

この曲のギターとベースはいずれもポールによる演奏であるが、正確なコピー譜は出されていないと思う。コピーをする際には、弦の違い(高音弦はスティール弦、低音弦は巻き弦)がポジションを割り出す重要なポイントになるが、誰が演奏したかも重要な判断材料になる。ポールのギター奏法の特徴として、ビブラートは薬指、チョーキングは人差し指、また人差し指をスライドダウンさせながらポジションチェンジする、といった奏法が手クセのようで頻繁に見かける事ができる。

これを念頭にTaxmanの間奏を聴いてみると、まず最初に8/2(2弦8フレット)の半音チョーキングが登場する。音階通りなら全音チョーキングするであろうから、この音は人差し指で出しているであろうことが推測できる。となると、最初の0/4(4弦開放)と一緒に弾いている7/3は人差し指、その後のファの音は10/3を薬指で弾くのが自然である。このポジションなら10/1の音も容易に弾ける。また、シタール風の下降フレーズも、人差し指で6/3をチョーキングアップ&ダウンから4/3へスライド、薬指で6/3、人差し指で4/3をチョーキングアップ&ダウンから2/3へスライド、薬指で4/3、人差し指で2/3をプリングオフ&2/3から4/3へスライド、という弾き方がポール風と推測できる。

一方、ベースも半音のハンマリングオンを多用している。最初の5/3は良いとして、次の7/1は6/1からハンマリングオンした音になっている。続く5/2から7/2でも、7/2は6/2からハンマリングオンさせた音になる。このニュアンスがないとベースの雰囲気は全く違うものになる。

デバッグ用iOSの期限切れ対応

デバッグに使っていたiPhone 3GS が突然、iOSの期限切れとやらで起動できなくなった。
iPhone本体でも、iTunesにつないだ場合でもアクティベーションが出来ないと言われてiOSの更新や初期化すら出来なくなった。
全く使えないのかと思っていたら、Xcode付属のオーガナイザーで工場設定に戻すことができた。工場設定と言ってもバックアップやiCloudで最新iOS&ほぼ元のデータに戻った。
めでたしめでたし!

2013年5月8日水曜日

全曲バイブル番外編(演奏法) Day Tripper

この曲では2点あります。

 まず、ジョンのコードフォーム。
 多くの人は5フレット付近でE7を押さえているのではないかと思う。そのようなビデオクリップもある。だが、レコーディング時に演奏したフォームは、武道館ライブでも確認できる3度抜きの変則フォームである。フレット/弦の表記をすると、
0/6 7/5 9/4 9/3 0/2 0/1
なんと開放弦を3本も利用してルートと5度の音だけを弾いている。時折聴こえる7度の音は3弦の9フレットの音を離して7フレットの音を出している。
当然Aコードも3度抜きかと思いきや普通のローポジションのAコードで、時折2弦と3弦を離して開放弦の音を出しているようである。こちらは、武道館ライブではF#m7のようなフォームだったので少々違和感があるが。 

2つ目はやはりポールのベース。
ギターリフと同じフレーズだが運指が全く違う。
 7/3 5/2 6/2 9/2 9/1 7/1 9/2 11/1 9/2 7/1 9/2
最初の3弦7フレットは中指で押さえる。続く2弦5フレットと6フレットは人差し指、後半の1弦11フレットは9フレットからのスライドである。この弾き方は武道館ライブで容易に確認できる。

UIActionSheetの注意点

UIActionSheetは、iPadではポップアップ表示されるが、iPhoneでは下からスライドアップして表示される。この表示の基準点としてBarButtonItemを使用すると、iPadでは問題ないが、iPhoneでは消去時に問題が発生する。

ActionSheetのビューは、BarButtonItemが属するToolBarの下へ移動するように消える仕様となっているらしい。つまり、ToolBarは画面下部にあるのが前提で、上部に配置してしまうとActionSheet選択後に悲惨な画面を見ることになる。ActionSheetが上に移動したまま残ってしまうのである。

2013年5月7日火曜日

全曲バイブル番外編(演奏法) I Saw Her Standing There

ビートルズの書籍は数あれど、音楽的な面について書かれているものはほとんどない。元々、ギターやピアノの耳コピを趣味とし、簡単に楽譜として残せる様にMID2PRNというソフトを作ったくらいなので、この状況は残念な限りである。この要因は、多分、著作権であろう。書物に楽譜を掲載すると著作権料が莫大になるので解説をする際に不便極まりないのだ。
という訳で全曲バイブルにも音楽的な解説や分析は控えめになっている。ここでは敢えて楽譜を使わないで強引に解説してみる。

最初に選んだのは、I Saw Her Standing There のベース。
Talking 'bout Youのギターリフを拝借したとポール自身が明かしているが、今やこのリフを聴けば I Saw Her Standing There を連想する人の方が多いだろう。
基本的な弾き方は、フレット/弦 という表記をすると、
7/3 7/3 6/2 7/3 9/2 7/3 7/2 6/2
コードの構成音には含まれない2弦7フレットの音を使うところが印象的であるが、ここでポイントにしたいのは2弦9フレットの音。通常は小指で押さえるであろう何気ない音であるが、時々、スライドさせたニュアンスの付いた箇所がある。映像として確認した事はないのだが2種類の演奏法があり、時として薬指によるスライドでこの音を出している場合があったはずである。逆に、小指で行っていたとすれば、引っ掛けるように滑らせながら指を離す弾き方をしていたということになる。

2013年4月22日月曜日

全曲バイブル回想録 Help! その2

モノバージョンとボーカルバージョンの相違の調査がメインだったこともあり、重要な書き残しがひとつあった。モノバージョンのミックス違いである。

この曲とTicket To Rideは映画でのマイム禁止のため、タンバリンを抜いたバージョンが作成されている。Ticket To Rideは所々でタンバリンの音量を下げる程度で誤魔化しているが、主題歌となるこの曲ではボーカルを録音し直してタンバリンを削除したのは全曲バイブルで記載した通りである。

そうまでして作成したモノバージョンであるがオープニング部分の10秒ほどはオリジナルのボーカルに差し替えられていることまでは述べている。この差し替える前の新録音だけのモノバージョンが初期の映画用として使われているという事に関する分析が全く漏れていた。

新録音となったオープニング部分は、ジョージの声が大きく、ポールの半音ずつ上がって行くパートが余り聴こえない。これが差し替えられた理由ではないかと思われる。

また、オリジナルの録音同様、ボーカルは2トラック録音されているが、メインとなっているトラックが異なっている。リリース版のモノバージョンでは、3番目のヴァースで"I never needed anybody's"をしゃがれた感じの声で歌っているが、当初はこれが入ったトラックをメインとしてミキシングされていた。そして、リリース版のモノバージョンを作成する際には、しゃがれた部分だけは残して、他は別トラックのボーカルをメインとしてミキシングしている。

2013年4月18日木曜日

全曲バイブル回想録 Another Girl

この曲は1テイクで作成されているため、情報がかなり乏しく消化不良の記述となってしまった点は申し訳ないと感じる。ただ、適当な推測ばかりを書き並べてしまうと全体の信頼性が揺らぐので致し方なかったということである。

まず、モノバージョンの作成は1種類のみのはずだが、実際には映画のサウンドトラックに使われたモノバージョンが別ミックスになっている。2つあるボーカルトラックの使い方が異なっており、またボーカルには深いエコーが付けられている。ボーカルの相違として分かりやすいのは30秒付近から始まる2番のヴァースで、リリース版では"she"が大きい方のトラックがメインで使われているのに対し、映画バージョンでは"she"を歌ってない方のトラックがメインになっている。残念ながら昨今のDVDではオリジナルの音声を聴くことができないため、読者には欲求不満の情報になってしまう。しかもレコーディングセッション本にも映画バージョンの記載は無く、単なる推測情報となった。

更にレコーディング情報としても、ポールが追加したとされるリードギターが曲者であった。ジョージ・マーティンが残したメモから、当初からジョージがJ-160E、ジョンがストラトキャスターを弾いていることが明らかになっている。ここにポールがどのようにリードギターを重ねたか、を推測したが結論を出せない記述となってしまった。この場合、当初はリードギターらしいものが無いアレンジだったことになり不自然極まりない。ジョージかジョンがリードギターらしい演奏をしていたのではないかと思う。エンディングの編集パートまで作成していたのであるから尚更である。初日はそれでOKとしていたが、ポールが満足できず、ポールがリードギター、ジョンとジョージはカッティングのみという構成でギターパートのトラック全体を差し替えた、と考える方が自然ではないだろうか?

2013年4月17日水曜日

全曲バイブル回想録 Baby You're A Rich Man

ステレオバージョンとモノバージョンの相違はパーカッションの有無という些細なものであった。ただ、ステレオバージョンが作成されたのはビートルズ解散後であるという点で重要な情報となった。
ステレオバージョンはもちろんビートルズとは無関係な状態で、4トラックのマスターテープから作成されている。問題の相違箇所には4種類のトラックの音が全て入っていて、オフになっているトラックは無い。ところが、モノバージョンには、この部分に別の音もミキシングされているのである。つまり、モノミキシングの作業中に音を加えたことは明白である。ミキシング作業中に音を加える、というのは以前から(たとえばCan't Buy Me Love)行われていたが、1967年の時点でも行われていたということである。
マルチトラックテープに全てを録音したわけではなく、リリースバージョンを再現できない曲を探すというのも目標となった。

2013年4月13日土曜日

全曲バイブル回想録 Day Tripper

同期再生によってコーラスが2つのトラックを使って録音されている事などが判明したが、地道な作業を行う事で面白いネタを得ることもできた。修正箇所の元ネタ検出である。
演奏ミスを修正したバージョンがリリースされたが、どの様に修正したかは単純な同期再生では判断できない。解るのは、どこからどこまでが違うのか、という事である。ただし、今回は片方のチャンネルが丸ごと差し替えられているが、他方は修正されてない、という事まで判別できた。となると話は簡単、ステレオバージョンの音が左右に分離されているという特徴を利用して、修正したいチャンネルだけを差し替えたと推測できる。後は地道な作業である。数カ所ある比較候補を片方のチャンネルだけ同期させてみるだけだった。

周波数解析をしてみてギターの特徴も理解できるようになった。イントロのギターを解析すると、最初のE音は6弦の周波数とその倍音が出ていたが、時間の経過と共に6弦の周波数は直ぐに消え、倍音だけ残った。これがアコースティック系の楽器の特徴なのである。基音(最低音)が無くなるので軽い印象の音になる(ヘフナーも同じような特性を示す)。ソリッドボディだと基音が保持されるのだが、アコースティック楽器は低い音を共鳴させるのが難しいのだろう。つまり、この曲で使われたギターはストラトキャスターなどのソリッドボディのものではなく、カジノやギブソンES-345などのセミアコースティックな楽器と判断できる。

2013年3月30日土曜日

テネシアン その4(Words Of Love)

Words Of Loveのギターは12弦ギターではないのではないか、というのが自論であるが、では何を弾いたのかを述べる必要があると思う。

現在入手できるVOX AC-30 での検証となるが、NORMALチャンネル(音を歪ませない方の入力端子)に付いているトレブルコントロールをフルアップ状態にすると正にこの音になる。つまり、この音はグレッチとVOXアンプで作れるもっとも高音の効いた音と言える。

具体的なセッティングは、
テネシアン側は、フロントピックアップ、トーンスイッチはセンター
アンプ側は、トレブルコントロールがMAX、ベースコントロールは中央
である。
アンプの影響が大きいのでカントリージェントルマンでも同じような音が出るのではないだろうか。ポイントはリアピックアップより更にブリッジ寄りをピッキングする事である。この音色はフェンダー系ギターのリアピックアップの音に近いことから、バディ・ホリーが弾くストラトキャスターの音色に近づけるために編み出した方法ではないかと推察する。

この組み合わせで試せる方は是非検証してみて頂きたい。

2013年3月24日日曜日

全曲バイブル回想録 テネシアンは使ったの?

レコーディング資料の中でも第一級なのがジョージ・マーティンが残したメモである。高価な書籍の一部なので、とても個人では入手できないが、FromBEAさんがたまたま所有されていて内容を確認することができた。

HELP!のレコーディング・セッションの一部が記録されたもので、アビーロードスタジオに残されているレコーディング記録より詳細である。
たとえば、

John on 12 string acoustic
George on Spanish acoustic
Paul on Bass
といった記述がトラック毎に記載されている。この例で言えば、ジョンはギルドのアコースティック12弦ギターを演奏、ジョージはガットギターを演奏、ポールはベースを演奏、となる。ミキシング作業のために楽器の種類も明確にしていたと思われる。
注目すべきはBassの記載で、まだリッケンバッカーベースを所有していないのでベースと言えばヘフナーを指していることである。
同じように、

Paul on Epiphone
John on Fender
という記載があるが、エピフォンと言えばカジノ、フェンダーと言えばストラトキャスター、と特定できるのでメーカー名で十分ということらしい。
逆に区別が必要であれば以下のような表現がされている。

George on 12 string Rickenbacker
Jumbo Gibson acoustic
J-160Eは愛称のジャンボが使われているが、これはポールのテキサンと区別するためなのかも知れない。

そして問題は以下の記載である。
George on Gretsch
グレッチにはテネシアンとカントリージェントルマンの可能性があるはずだが、区別する必要がないのか、はたまた一方しか使ってなかったのか。そう言えば、映画の中でも、レコーディング・スタジオではカントリージェントルマン、屋外ではテネシアン、と使い分けていた。軽いテネシアンはライブ用(何かあっても安いので惜しくない)、大事なカントリージェントルマンはスタジオでのレコーディング用という使い分けがあったのかも…


2013年3月20日水曜日

全曲バイブル回想録 とくダネ!の小倉さん

一番重要な事を思い出しました。
ビートルズが今なお人気があるとは言え(これはJASRACさんがネット上で音楽を話題にすることを禁止されているので新しい音楽が広まらないという理由も多分にあるとは思いますが)、全曲バイブルがまさかamazonの全書籍で7位にランクするとは予想もしていませんでした。
http://www.rankbank.net/amaran/history/?date=09121200&cat=book&asin=482226341X

この本の企画を頂いた当初は、集大成とはいえども企画本のひとつに過ぎませんでした。ところがリマスター盤が発売されるということで日程計画が変更され、リマスター盤に関する調査も含めるということになりました。リマスター盤は世界中で厳重に管理されるので、一般の方と同様、発売日に購入して調査開始です。同期ソフトの性能を向上させて準備はしていましたが、200曲以上の分析のためパソコンは昼夜フル回転。それでも一ヶ月半を要しました。
そして、めでたく12月に発売されると100位台を推移する快挙。これでも私は十分に満足していたのですが、12月12日の朝に奇跡が起こりました。いつも通りテレビを付けて仕事の準備をしていたら、とくダネ!のオープニングトークの画面に全曲バイブルが!そして小倉さんから大学の研究レベルという最上級のお言葉が(誰かが手を回したのだろうかと真剣に思ってしまいました)。
その後、
先のリンクが示す通り、Amazonのランキングが急上昇。最高位7位を記録しました。恐るべし小倉さん。テレビの宣伝効果を思い知りました。もう小倉さんに足を向けて寝れません。ただ、そのオープニングトークも今は無くなってしまったのが残念です。

全曲バイブル回想録 I Feel Fine

分かっていても書けないネタがある。公式情報のみで得られる情報を提供する、という基本方針があったのでマニアの間では既知でもブートレグ等からのネタは掲載出来なかった。LET IT BEの項は倍以上の情報量があったのだが、ANTHOLOGYや映画から得られる情報のみに止めた。

ただ、ストーリー的に面白いものを以下に仮説として残しておく。

HELP!の頃、ジョージ(とジョン)はストラトキャスターを手に入れている。タイトル曲のレコーディングでは、まずストラトキャスターを使用していたが、例の下降フレーズが弾き辛かったのか音色が合わないと判断したのか、数テイク後にグレッチに持ち変えてしまう。それでも下降フレーズが上手くいかず、更に数テイク後にはバッキングと下降フレーズを別パートとして録音を分けてしまう。これにより、4トラック録音が始まってから最初のリダクションが行われることになる。

I Feel Fineはイントロのフィードバックが別録音ではなく、毎テイクでフィードバック音が再現されている。この曲はキーAとしてレコーディングを開始している。5弦の開放弦はA音なので音の流れとしては丁度良かったのだが、ボーカルのキーが合わなかったのか、J-160Eでは12フレットのEコードが弾き難かったのか、途中でキーをGに下げてしまう。ただ、「5弦の開放弦を共鳴させる」という方法を変更することは出来なかったらしく、フィードバック音はA音のままとなっている。

2013年3月12日火曜日

テネシアン その3

テネシアンをメインで使っていた For Sale 〜 Help! の時期、ギターの音色がかなり特徴的になっている。乾いた音とでも表現すれば良いのか、Kansas Cityのイントロで聴かれるあの音である。当時の楽器と同じ音色でないのは分かっているが、折角テネシアンとVOX AC-30があるので音作りを分析してみた。

他でも述べたがテネシアンは微妙なトーンコントロールができないので、基本的にはアンプ側で作ることになる。セッティングを色々と試してみたが、ヴォリュームをMAX、Bassコントロールはほぼゼロ(低音カット)が一番近い感じがした。アンプのヴォリュームをMAXにしてもさほどうるさく感じない。よくこれで初期のライブをやってたものだと逆に感心する。
ギター側であるが、リアピックアップなのは間違いないとしてトーンのスイッチがどこなのか決まらない。センターか下側だと思うが。
何となく似ているがイマイチしっくり来ないと思っていたが、重要なポイントがあったようだ。今までピッキングの位置をセンターとリアのピックアップの中間辺りにしていたのだが、たまたまリアピックアップ上で弾いてみたら更に音色が近づいた。早速、I'm Downの間奏シーンをチェックしてみたら、正にリアピックアップ上で弾いていた。流石はジョージ、音色には拘っているな〜

ただし、ひとつだけ問題が残っている。Kansas CityやI'm Downで聴かれるサイスティンの無い音はグレッチ特有のミュート機構を使ったものだと思うが、テネシアンには付いていない。つまり、レコーディングに使ったのはカントリージェントルマンの方が可能性が高そうだ。

2013年3月3日日曜日

全曲バイブル回想録 I Want To Hold Your Hand

ドイツ語バージョンの演奏は英語版と同じ、とレコーディング記録に記されていたので、同期再生による調査を始めてから比較的早期に確認した曲である。実際に比較してみると、手拍子も違うし、リードギターの半音進行フレーズも違うし、文章だけでは伝わらない事が多々あると感じた。

90年代後半は手作業で同期作業を行っていたため、少々荒い同期処理になっていた。これは、レコード音源では避けられないワウフラッター(レコード再生の技術的な問題で発生してしまう音の揺れ)から来る精度の限界を考慮していたという面もある。ところが、この曲ではCDでモノバージョンとステレオバージョンが揃うので、可能な限り精度を上げてみた。すると、ミキシング時の手拍子の音量変化を確認することができた。ミキシング作業に於いて何をポイントにしていたかが分かるようになったということである。
同様な事が、We Can Work It OutやHey Judeでも行われており、ミックス違い調査の新たな視点を得られると共に、アビーロードのコントロールルームが随分近く感じられるようになった。

2013年2月25日月曜日

全曲バイブル回想録 Fixing A Hole

マーク・ルイソン氏のレコーディング記録とは相違点が多いため、結果を得るまでの解説が必要かと思う。

先ずハープシコードの演奏者であるが、ルイソン氏のレコーディング記録ではジョンとされていたが、ジョージ・マーティン自身が自分で弾いたと証言しているのでこれを採用している。この証言の中では、ジョンはリズムギターを弾き、ポールのボーカルと同じトラックに録音されたとなっている。つまり、ポールのボーカルもガイドボーカルで、後で差し替えることが前提だったのだろう。結果的にジョンのギターは残っていない。

ジョージ・マーティンによると第2テイクは以下のようになっている。
1 ハープシコード(マーティン)、ベース(ポール)、ドラムス(リンゴ)
2 リードギター(ジョージ)
3 ボーカル(ポール)、リズムギター(ジョン)
4 コーラス(ポール、ジョン)

ここから以降の作業を推測すると、先ずはポールのボーカルを録音。
3 ボーカル(ポール)の再録音

これをテープリダクションして、新たな第3テイクとするが、その際にセカンド・ボーカルとセカンド・リードギターを加えながらリダクションしたと思われる。
予想:第3テイク
1 ハープシコード(マーティン)、ベース(ポール)、ドラムス(リンゴ)
2 リードギター(ジョージ)、コーラス(ポール、ジョン)、セカンド・リードギター(ジョージ)
3 ボーカル(ポール)、セカンド・ボーカル(ポール)
4 (空き)

最後に、空いたトラックへ再度、リズムトラックを録音したと思われる。
最終的なテープ構成:1 ハープシコード(マーティン)、ベース(ポール)、ドラムス(リンゴ)
2 リードギター(ジョージ)、コーラス(ポール、ジョン)、セカンド・リードギター(ジョージ)
3 ボーカル(ポール)、セカンド・ボーカル(ポール)
4 セカンド・ハープシコード(マーティン)、セカンド・ベース(ポール)、セカンド・ドラムス(リンゴ)

この、全ての演奏が二重になっている事実は、ルイソン氏のレコーディング記録からは読み取れない。モノバージョンとステレオバージョンを比較することで明らかになった事実である。それがジョージ・マーティンの証言と矛盾しないことから、この推測結果を採用している。

2013年2月23日土曜日

全曲バイブル回想録 Got To Get You Into My Life

実は10年以上前の自費出版本では分析を間違えていた曲である。
同期再生させた時にブラスの相違箇所は直ぐに分かった。ブラスの音が左右(モノバージョン側とステレオバージョン側)から聴こえたので、てっきりADTによるものと思って注意深く聴いていなかったようだ。
リマスター版を分析するに当たっては、もちろん新たな気持ちで調べ直した。そこでようやく中央にブラス音が無いことに気付いた。つまり、そこにある音をADTで二重にしたのではなく、他からコピー&ペーストしたのだと。
となると、「どこからコピーしたのか」を調べる必要があるが、これは簡単な作業だった。概要するブラスパートは二箇所しか演奏されていないからだ。難なく直前の演奏であることを突き止めた。流石にレコーディング記録にもここまでは記録されてないため、マニアには興味深い新ネタのひとつとすることができた。

2013年2月20日水曜日

iOSアプリへのリソース追加

プロジェクトファイルにリソースを追加すると、ソースコード以外は自動的にアプリに追加される、と思っていたが、自動追加されないファイルもあるようだ。

このような場合、プロジェクトにリソースファイルを追加した後、TARGETS / Build Phases / Copy Bundle Resources に追加すれば良い。

2013年2月17日日曜日

全曲バイブル回想録 Honey Don't

この時期のレコーディングセッションではミキシングの際にも新たな音を追加している事がKansas Cityの調査から判明していたが、この曲では部分修正も行われていることが判明した。

部分修正と言ってもテープ編集によるものではなく、4トラックテープを回しながら、同時にリンゴがボーカルパートを歌って差し替える、という方法である。何故断言できるかと言えば、差し替えられた箇所の前後にテープ編集特有のズレが無いからである。

更に重要な発見は、ボーカルがタンバリンと一緒に録音されている点である。つまり、ボーカルの差し替えられた箇所ではタンバリンも差し替えられていたということである。タンバリンを差し替える必要は全く無いことからボーカルとタンバリンが同じトラックに録音されている事は明白である。問題は、何故ボーカルとタンバリンを同じトラックに録音したか、という事に尽きる。この曲にタンバリンが必要なのであれば、別のトラック(例えばリードギターのトラック)に入れれば良いのだから、わざわざボーカルトラックに入れた特別な理由があるはずである。考えられるのは、リンゴ初のアフレコとなったボーカル録りが上手くいかなかったのでは、という理由である。ドラムスを離れたリンゴのボーカルはリズム音痴になってしまい、タンバリンを叩きながら歌うことになったのではないだろうか。それでもリズムのずれてしまった2箇所をモノミキシングの際に差し替えることになった、というのが一番説得力があると思う。